ご挨拶

徳島大学病院 救急集中治療部 部長
大藤 純

徳島大学病院救急集中治療部では、院内・院外を問わず、多くの救急患者、重症患者の診療に取り組んでおります。徳島県における高度急性期医療の中心を担う徳島大学病院において、当部はまさに重症患者の最後の砦としての役割を担うものです。2004年に当部が発足して以来、集中治療専従医が診療の中心を担うclosed ICU policy を掲げ、常に診療成績の向上に努めて参りました。小児先天性心疾患を含む心臓血管外科術後や臓器移植術後などの術後患者管理、重症呼吸不全患者に対する肺保護戦略、急性血液浄化、膜型人工肺を用いた呼吸循環不全患者の管理など、市中病院では管理が困難な症例を含む高度な集中治療を実践しております。救急診療では、脳卒中、心筋梗塞、広範囲熱傷、重症小児救急疾患なども多く受け入れております。また、近年では、重症患者のICU退室後の予後や生活の質的向上を目標とした管理、いわゆる集中治療後症候群(Post-Intensive Care Syndrome: PICS)の予防にも注力しております。筋萎縮を予防するための早期離床、リハビリ、栄養管理や認知力を維持するためのICU環境の整備と睡眠促進への取り組み、またICU退室後の患者訪問なども行っております。この様な高度医療の実践には、救急集中治療専従医の絶え間ない努力の他にも、集中治療認定看護師を中心とした優れた看護体制、高度な医療機器の運用を支える臨床工学士、複雑化した薬物療法への監視・統制を行う専従薬剤師、早期離床を計画、運用する理学療法士など、多くの医療従事者の協力なくしては成り立ちません。

豊富な重症患者管理を通じて、多くの医学生が学び、そして初期研修医や救急・集中治療専攻医などの若手医師も充実した診療経験を積んでいます。特に近年では、隣接する徳島県立中央病院との医療連携、いわゆる総合メディカルゾーン構想に基づいた救急診療や教育の連携強化も始まっており、今後更なる発展が期待されます。また、私たちの講座では、臨床研究も積極的に行っております。重症患者の筋萎縮予防に関する研究、呼吸補助の違いによる睡眠動態の研究、小児患者の鎮静管理に関する研究など、すべての医療スタッフが研究テーマをもち、そして海外を含む学会発表やシンポジウム、講演なども行っております。当講座から、多くのエビデンスを発信し、救急集中治療分野の発展に寄与してゆくことが我々の使命の一つでもあります。

救急集中治療分野に興味のある方、積極的に重症患者管理の世界に飛び込んでみたい方は、是非とも当講座の門を叩いてみてください。あなたの知的興味や熱意を大きく育て、そして優秀な救急・集中治療医の仲間入りができるよう、スタッフ一同全力で取り組んでまいります。